横浜美術館雑感。

2003年12月8日
■横浜美術館へ中平卓馬展を観にいく。

久々の横浜美術館。

絵にならないものを絵にならない構図で切り取っているような写真がほとんど。変な話、3歳児とか痴呆老人が撮ったらこんな感じなのかもしれない。元々そういうタイプだったのかもしれないけど、記憶喪失を経てより一層その傾向が強まった気がする。目に映る世界から意味をぎりぎりまで抜き取っていくようなところは、「モダン」の次に来た人なんだな、という印象。そういう意味ではちょっと懐かしくて、少し前の歴史のなかの人だと思ってしまった。フリージャズとか、セロアス・モンクのピアノとかの印象にちょっと近いかも。

常設展が面白かった。

アジアの版画とか色々面白いのがあったけど、キャパと沢田教一(二人とも戦死)の写真をこんなにたくさん一度にみたのは初めて。

キャパは、とにかく死と隣り合わせの戦場にいること、それを至近距離でみつめることが情熱の全てという感じなのだけど、沢田教一の方は、(いい悪いは別にして)もう少し「写真表現」みたいなことを頭で考えている気がする。ただ、米軍兵士や、ベトナム娘の笑顔の写真がいくつもあって、それは、沢田教一自身にとっては「救い」だったのかもしれないけど、写真を撮った次の日には、その兵士が娘をレイプして殺してしまったかもしれない訳で、戦場での笑顔は、どんなに爽やかでもみててあまりいい気持ちはしない(僕は、『ライフ・イズ・ビューティフル』がどうしても好きになれない)。

どっちにしても、僕たちがこうして見る戦争っていうのも、常に「西側」からの映像ばかりだな、と思った。

■談志の「芝浜」をきく(DVD)。
これはまじで泣き笑い間違いなしの感動モノ。
江戸の貧乏長屋の夫婦愛を談志が熱演してます。

■町田康『屈辱ポンチ』読了。
「けものがれ・・・」のつづきが読みたい。
せっかく、すごい勢いで読んでるのに、あんなに唐突に終わってしまうなんてヒドイです。

■サニーデイサービス
昔は、あの、「ポジティブに高らかに歌い上げる感じ」がイマイチ馴染めなかったのだけど、最近は、それほど気にならなくなってきた。年をとって、色んなことを諦められることに慣れたからだろうか。なんて。

■渋谷Book1stで、
町田康『爆裂道祖神』
森茉莉『記憶の絵』
購入

最近、ラーメンばかり食べてます。

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